鈴虫のまめ知識

鈴虫の一生

鈴虫は6月上旬にふ化し、2カ月の幼虫期間を経て成虫になります。(鈴虫は幼虫のあと蛹〈さなぎ〉にならず、幼虫の姿のまま成虫になる不完全変態の昆虫です)成虫になると2カ月の繁殖期間で交尾と産卵を行い、10月下旬には短い一生を終えます。

オスは交尾をすませると死んでしまいますが、メスはその後も旺盛な食欲で生き抜いて産卵にそなえます。この時に産まれた卵は冬を越し、次の夏にふ化します。

 

鈴虫の習性

鈴虫は夜行性の昆虫で、昼の間は草むらの石や枯れ木などの下にかくれています。陽がしずむとエサや求婚相手を求めて活発に活動しはじめます。美しい鳴き声を出すのも夜ですが、陽ざしの弱い曇りの日には昼間でもよく鳴きます。鈴虫のような小さな昆虫は天敵が多いため、体は外敵から見つかりにくい黒っぽい色(保護色)をしています。そして、体の倍以上ある長い触角でまわりの様子をうかがい、危険を感じると瞬時に翅をたたんで草むらの陰に逃げます。しかしバッタやコオロギとちがい、地表を歩くだけで跳びはねることはほとんどありません。

鈴虫の鳴くしくみ

鈴虫のきれいな鳴き声は、オスがメスの関心を引きつけるためのものです。鈴虫の右の翅の裏にはヤスリのようになった脈があり、これを左の翅の表側にある突起部分でこすって音を出します。その音は翅と翅の間にできる空間で響き合って大きくなります。

 

鈴虫 まめ知識その1

人の耳に心地よく聞こえる鈴虫の鳴き声ですが、不思議と電話ではその声を聞くことができません。これは鈴虫の鳴き声が電話機の伝えられる周波数の範囲外だからなんです。

 

鈴虫 まめ知識その2

鈴虫の翅は2枚ですが、実は成虫になったばかりの時は4枚あるのです。しかし羽化したあとは必要ないので、2〜3日で落ちてしまいます。残った2枚の翅は鳴くためだけのもので、飛ぶためには使われません。